ばんば憑き [読書]

読みました。

ばんば憑き

ばんば憑き

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/01
  • メディア: 単行本

『あんじゅう』や『日暮らし』などに比べると
多少、暗澹たる印象を受けましたが
でも、やっぱり宮部みゆきの語りたいことは
いつも同じで、やさしい気持ちに^^

以下、感想です。

表題の『ばんば憑き』は正直、怖いです。
女の嫉妬ってヤツはこうまで・・・という恐ろしさ然り、
表向きを取り繕う必要性然り。
加えてこれは“たぶん”ではあるけれど、許婚男のズルさも。

そして単純に
衝立の向こうの老女、その語り口調・・

想像しただけで、背筋がスゥ~っと寒くなりました。。
でも、読み終わった後にたくさん残っていたのは
「怖い」より「哀しい」だった。
そしてこの入り婿の今後を少し案じました;

怪奇モノはわりと読む。(グロいのは苦手です;)
日本の怪談ちっくなヤツにはついつい触手が^^
宮部みゆきの描く“ものの怪”は、どこかいつも優しいというか・・
いや、優しいっていうのは違うな。
事情があって、でもどうしようもなくて、だから哀しい。

そしていつもそこには「畏れ」がある。
古来より日本人が畏れてきたもの。畏怖。
『博打眼』の狛犬には、おぉ~っ!!てなってちょっと羨ましくも。

仕える主君のよしあしで、領民たちの暮らしはずいぶん異なっていた。
それを良い悪いの視点ではなく、受け容れて、懸命に生きる姿が描かれてる。

ものの怪の心にも触れることができて、
哀しいのに、哀しいのとはまた違う想いにもかられた。
ちょっと逢ってみたいかもって思った。



タグ:宮部みゆき

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